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中世

ロジャー・ベーコン:「経験なくして知は成らず」── 十三世紀の権威主義を実験で撃った「驚嘆博士」

ロジャー・ベーコンは十三世紀に権威・慣習・大衆の愚見・無知の偽装という「四つの障害」を暴き、経験による知の検証を唱えた。論証が支配するスコラ学の只中で実験の火を灯したこの修道士の洞察は、フェイクニュースと権威主義が交錯する現代をも射抜く。

中世

アウグスティヌス:「わたしはわたし自身にとって問いとなった」── 意志の分裂と時間の深淵を発見した哲学者

アウグスティヌスは自らの内面に哲学の戦場を見出した。意志は自らに逆らい、時間は記憶のなかにしか存在しない。悪は実体ではなく善の欠如にすぎない。キリスト教神学の枠を超え、西洋で初めて人間の心理の暗部を解剖したこの男の問いは、依存症からSNSの自己欺瞞まで、今もなお私たちの足元を揺らす。

近代

デカルト:「我思う、ゆえに我あり」── すべてを疑い尽くした果てに残った、たった一つの足場

1637年、匿名の一冊が西洋哲学の土台を破壊した。デカルトは感覚も記憶も数学さえも疑い、「疑っている自分」だけは消せないという裸の確実性に到達する。コギトから神と物体を演繹した合理主義の設計図は近代科学を起動させたが、心身を引き裂く傷を後世に残した。

古代 哲学書

セネカ『怒りについて』:怒りの解剖と治療──目次順に読む

セネカ『怒りについて』は、怒りを「一時的な狂気」と断じ、その発生メカニズムを三段階に分解したうえで、予防と治療の具体的技法を全三巻にわたって展開する。暴君カリグラの気まぐれな処刑を目撃した哲学者が、怒りという感情の解剖に挑んだ記録だ。